必ずカメラ目線なんよね♡

2月9日(木)。うぐいすなく春だというけれど一段と冷え込んだ一日。
愛猫、お嬢ことフィオリーナの初七日。
法要には行かなかった。
遺骨はまだお仏壇にある。

「あれ?フィーちゃん、元氣ない?」
夫の声にベッドに丸くなる彼女を抱き上げる。
え??
びっくりするほど軽かった。

最近、うちの女子猫ズは軽い。
籠姫を始終抱いていると、3キロ超しかない姫にゃんと嬢にゃんは軽いのだ。
だけど、ほんとに軽かった。

「んーー、風邪ひいた?(わたしも籠姫も風邪ひきだし、うつしたかな)」

お風呂の準備をする夫の後を追いかけるお風呂好きのお嬢の足元がふらつく。
びっくりして付いていくと、ちょろちょろと失禁。
彼女は粗相なんてしたことないのに。

いっきに不安が押し寄せる。

抱き上げて、温かいヒーターの前に移動し、水を引き寄せ、手元の小さな箱で症状から状態を検索する。

水を飲ませようとするが、ぺろぺろと二度ほど舐めたらやめてしまう。
お嬢ファーストに過ごしてみて、金曜日の午後には時間ができるから、様子が戻らなければ病院に・・・。

でもこの時のわたしはあまり病院に積極的に連れて行こうという氣になれなかった。
経過観察で治るならという想いと、ゆっくり過ごさせてやりたいという相反する氣持ちに揺れていたように思う。
もっと言うなら、注射して投薬して慌ただしい最期になるのは嫌だという想い。

フードを柔らかくし、肌温度に温めた湯を何度も替えるもほとんど口にしない。
以前、王子も姫もそうだった。
体調悪いときは食べずに、うずくまって回復を待つ。

時々見上げて鳴くお嬢にすこしホッとしながら、過ごした。

夕方から夜は籠姫につきっきりになるわたし。
夜、一通り終えて抱き上げた彼女がもう手遅れなことは分かった。

匂いと色がそうだった。

深夜、夫に経口補水液を買いに行かせたのは八つ当たりだったと思う。
「みっちり」とか「むっちり」がウリだった彼女が小鳥みたいにカサカサと軽くて頼りない。

朝。殆んど動かない彼女を、抱くのももうかわいそうで、そっとそっと撫でた。
帰って来るまで待ってて、なるたけ急ぐね。

昼。初めて我が家に来た朝の、手のひらに乗る小さな重さが、もうなかった。
出がけに眠るようにゆっくりと浅い呼吸をする彼女をなぜ抱きしめなかったか?と毎晩思う。
今も思う。

ガリガリの子猫だったお嬢が丸々艶々と太って、「うちに来てよかったね♡」と言った。
思えば、姫にゃんの後追いが酷くて堪り兼ねて迎えた里子にゃんこが嬢にゃん。
お嬢をかわいがると姫が拗ねてお嬢を虐めたりするから、あまりべたべたとは構わなかった

フィオナ。
うちに来てよかったかい??
おねぇちゃんは、フィーがうちに来てくれてよかったよ。
ありがとう、フィーちゃん。

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