マナ

出かけようと電気を消して、薄暗くなった部屋の中で、窓からの陽の光でぼんやり白い壁を撫でながら「あたたかいよ」と娘がわらった。

こんなものが、わたしから生まれてきたなんて信じられない。

何かの奇跡を見てるみたいな、不思議な気持ちになった。

 

なんちゃらっていう新種の風邪のせいで保育園が休園になって、だからって他の療育機関に行くのもなんだからお休み中の籠姫が、わたしとずっと一緒なのが嬉しくて仕方ないという顔をする。わたしはアレもコレもキャンセルで虚しい気持ちを持て余してたりしたけど、神さまはわたしにこんなにも素敵な贈りものをくれていた。

 

生まれてきてくれて、ありがとう。